IELTS対策コラム

5分でわかる! 読解テクニック キーワードの探し方

▮ まずは、「スキミング」と「スキャニング」

 
IELTSライティングテストでは、「スキミング」と「スキャニング」で解答できてしまう問題が多く出ます。 この2つは長文読解のテクニックで、スキミングは文全体を、重要な部分をすくい取るように読んで大意を把握する方法、スキャニングは特定の情報を探し出すような読み方のことです。
設問を読んだら、まずスキミングです。具体的には、第一段落全体と各段落の冒頭を読んで、全体の概要を掴みます。次にスキャニングです。設問のキーワードが出ている箇所を探しながら、やや早めに読み、それが見つかったらそこを丁寧に読むのです。そのうえで、該当する問題に答え、またパッセージを読み進みます。
このようにして、パッセージ中に出てくる順番で問題に答えていくのが基本です。ただし、時間が足りない方の場合は、最初のスキミングを割愛し、設問を確認した後にスキャニングをして問題に答えていく方法を取るようにしてください。
 
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▮ キーワードの見つけ方

 
答えが書いてあるところを見つけるためには、設問文中のキーワードをパッセージ中に見つけることがカギになります。
パッセージにとりかかる前に、設問を読み、解答のカギとなりそうなキーワードに丸をつけます。そしてパッセージを読むときには、それらのキーワードおよび同義語反対語を意識してください。その周辺に設問の答えが含まれていることが多くあります。
キーワードとなる単語は2種類あります。一つは、人や会社などの名詞、年代、国や地域の名詞など、言い換えが不可能なものです。固有名詞は大文字で始まりますし、年代は数字で書かれているのですぐ見つかります。ほかの単語に置き換えられないことも、この種のキーワードを探しやすいポイントです。
もう一つのキーワードは一般的な単語(一般名詞、形容詞、副詞など)です。この場合は同義語などに置き換えられている可能性が高いので、それを知らないと、パッセージ中にそれに該当する箇所、つまり解答が書かれている箇所をなかなか見つけられないとこになります。
 

▮ 1パラグラフに1主題

アカデミックな英文テキストでは、各パラグラフが1つずつ主題をもっています。多くの場合、パラグラフの最初の文がその主題を述べています。それに続く文章で、主題を支える細部や理由、実例や証拠が提示されます。パラグラフの最後の文が、その要約や結論になっていることもあります。
 

▮ 繰り返し出てくる単語に注目する

特定のパラグラフに繰り返し登場する単語は、そのパラグラフのトピックの概要を担っていることが多いので注目しましょう。通常、1パラグラフは1つの主題を提示していますが、ときどき1つの主題が、2つ以上のパラグラフにわたって展開されることもあります。そうした場合、複数のパラグラフで繰り返し登場する単語が主題を探る目安になります。
 

「落してはいけない問題」「落としても仕方のない問題」

▮ 設問から読んでいく

 
リーディングにとりかかるとき、最初にパッセージ全体を読むより、まずタイトル、写真、イラストなどがあればそれらを見るようにしましょう。 こうして何について書かれているか、ある程度予想しておくことがコツです。次に設問を読み、何が問われているかを把握します。そうしてから、解答となる個所を探しながらパッセージを読むのが効率的です。
 
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▮ 読解テクニックと単語力がカギ

 
1パッセージ750〜950語の文章を20分で理解し問題を解いていくためには、スキミング、スキャニングという読解テクニックを駆使することがカギです。
幅広い単語力も必要ですが、単語の意味だけでなく、同義語熟語などを知っていることが重要です。答えを文中で見つけるためには、設問のキーワードを探すことがポイントになりますが、それが同義語や熟語で言い換えられている場合が多いので、それを知らないと解答が分からないことになってしまうのです。
 

▮ 落としてはいけない問題

 

  • キーワードが固有名詞など明確で、該当箇所が探しやすいもの

 

  • 表完成問題や要約問題で、1つの段落に複数の答えが固まって出ているもの。

このうち要約問題とは、パッセージの一部(多くの場合、多少長めの1段落)をまとめた文章の中に空欄がいくつかあり、そこに該当する単語・語句を記入する問題です。選択肢から選んだり、Yes / No / Not Given や True /False / Not Given で答えたりするのではなく、単語・語句を書かなければならないので一見難しそうに見えるため、スキップしてしまう人が多いのですが、実は非常にもったいないことです。比較的狭い範囲を読むだけで、数個の正解が一網打尽にできる問題ですから、絶対にスキップしてはいけません。
 

  • 選択肢の少ない問題

選択問題の場合、IELTSはTOEFLと異なり、選択肢の数が固定していません。選択肢の数は少なければ3つ、段落の見出しを付けるような問題では最大で16個に及ぶものさえあります。当然のことながら選択肢の少ない問題の方が答えを探しやすいわけですから、確実に押さえなければなりません。
 

▮ 落としても仕方のない問題

 

  • キーワードがはっきりしないため該当箇所を探しにくい問題

選択肢のある問題であっても、設問自体にはAccording to the author, しか書いてないような場合です。選択肢がある場合はその中のキーワードを探していくことになるわけですが、選択肢毎にキーワードが異なるわけですから厄介です。20分以内に最大数の正解を出すことを目標とする受験者としては、他の問題を解く中で見つかることを願い、いったん後回しにして、時間があれば最後に戻って答えるようにしましょう。

  • 問題数に対して選択肢の多い問題

例えば3つの設問に対して、長い選択肢が10個あるような問題があります。選択肢を10個読んでも最大で得られる正解が3つというのは効率が良いとは言えません。これも時間に余裕がある場合にゆっくり考えた方がいいでしょう。
 

5分でわかる! リーディングセクションで出題されるテーマ

▮ さまざまな分野から出題

 
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パッセージのトピックは雑誌、新聞、書籍などから取られていますが、専門家向けに書かれたものを一般向けに紹介するような文章になっています。 内容は大学・大学院レベルのアカデミックなもので、社会科学、自然科学、生命科学、芸術・人文化学など幅広い分野から出題されます。しかし、特定の分野が苦手な人、その分野の知識に疎い人が読んでも内容的には理解できるようにいるので大丈夫です。
3つのパッセージのうち1つは論文形式の文章で、このパッセージが一般的に一番難しくなります。これが何番目に来るかは分かりませんが、最初にこの難しいパッセージが来ても、後は平易なものになりますので、焦る必要はありません。また、論文形式のパッセージを後回しにしても良いでしょう。
 
イギリス英語とアメリカ英語でスペリング、文法、表現などが違う場合がありますが、リーディング問題はイギリスやオーストラリアの出版物から取った文章が使われることが多いため、基本的にイギリス英語になっていると考えていいでしょう。
 

▮ IELTSに強くなる語彙力をつける

 
IELTSに限らず英語学習者の多くは、ボキャブラリーを鍛える際、単語集を片っ端から暗記する方法を取ります。しかしながら、この方法は手軽に始められ、ある程度は通用するものの、問題点もあります。

  • 人間の脳は、ストーリーと結び付けて記憶するのが得意。単語帳を片っ端から暗記することは不得意
  • 何とか単語帳を暗記しても、使わないとすぐ忘れる
  • 単語帳から得られる情報はわずかで、どんな時にどんな言葉とよく使われるのかなどわからない
  • 非効率なだけでなく、とても退屈な作業である。なかなか続かない。

 
実はボキャブラリーを鍛えるために一番良い方法は集中的なリーディングを重ねることです。 教材としては、お勧めなのが、こちらのWEBサイトです。
 

 
これらのWEBサイトはIELTSリーディングテストでしばしば出題されるようなテーマをカバーしているからです。 初めは、わからない単語があっても最後まで読み進めてください。 読み終わったら、わからない単語の意味を調べてください。 英和辞典だけでなく英英辞典でも調べてください。これは同義語反対語を覚えるのに有効です。

5分でわかる! 解答に「要注意?! 」問題

▮ Yes, No, Not Given 問題

 
“Yes, No, Not Given ”  問題は、本文の流れにそって出題されています

ですから、分からない問題は飛ばして、その前後を先に解いて下さい。

分からなかった問題は、あとからその間を探せば見つかります。
 

 
<ここがポイント!>


No とNot Givenは違いがよくわかっていない受験者が多く見受けられます。
 
No は、本文の中に問題文と正反対の文章があります。一方、Not Givenは、

その問題文については、本文では明言されていません。
 


例を挙げてみましょう。
 
Marie Curie’s husband was a joint winner of both Marie’s Nobel Prizes.
という問題文があったとします。
 
本文内に、
She was award the 1903 Nobel Prize for Physics, and was then sole winner of the 1911 Nobel Prize for chemistry.
とあった場合、答えはNoです。
 
 

▮ 段落の要約文を選ぶ問題

 
”段落の要約文を選ぶ問題” 、このタイプは、受験者が最も難しいと感じるタイプです。
というのも、要約文というのは、その段落の一部分を読んだだけでは正しく選べないからです。
 
このタイプの問題が最初に来ても絶対に最初に解こうとせず、一番最後にして下さい

時間を無駄にしてしまいます。
 
先に他の問題を解くことで、本文の内容が大体分かって、ぐっと解きやすくなります。
 
いかがでしたか?
本文を一切読まなくても、解きやすい問題から解いていくうちに、大体の意味は掴めてきます。ぜひこの方法を試してみて下さい。