▮ 何通りもある入学方法
オーストラリアでは大学入試はなく、入学の合否は全て書類審査で決まります。
審査に必要な書類は、大学指定の願書、高校の英文成績証明書(英文)、
英文卒業(見込み)証明書、そしてTOEFLまたはIELTS試験のスコア票です。
推薦状を求める大学はほとんどありません。
英語力はおよその目安として、TOEFL(ibt)で 80~90点以上、
IELTSで6.0~6.5ポイント以上です。
ただし、もし英語力が足りなくても、一定期間の語学研修を受けることで
合格となる「条件付入学 / パッケージオファー」があります。
条件付き入学制度とは
ある条件をクリアすることを条件に入学を認めるという制度です。
英語力が満たない学生には英語力を一定基準までに高めることを条件
とする入学許可書、学力が基準に満たない学生にはファンデーションや
ディプロマを修了することを条件とする入学許可書を発行します。
両方が満たない学生には、両方に条件を付けた入学許可書になります。
これにより、どんな学生でも出発前には大学までの
入学許可書を取得してから渡航することができるのです。
パッケージオファーとは
大学の条件付き合格に所定の英語コースを付けることで
英語コース+大学のコース両方の合格通知を出してもらうことです。
これにより、出願者は大学修了までの入学許可書を入手でき、
学生ビザも大学卒業分まで入手することが出来ます。
また、大学が指定する英語コースであれば、
そのコース履修終了時に規定の成績を修めればIELTSやTOEFL
などを受験しなくても大学に進むことができるのもメリットです。
オーストラリアの大学では1年目から専門課程に入るため、
留学生は準備コースで1年間教養課程を履修します。
この大学進学準備コースはファンデーションコース(Foundation Course)
と呼ばれ、多くの大学に設置されています。
また、ディプロマ(Diploma)というコースを設置している大学もあり、
コース修了後、大学2年次に編入できます。
英語が基準値に達していない場合は、事前に大学付属の英語研修プログラムを受講します。
▮ 日本とオーストラリア 教育制度の違い
中・高一貫教育
オーストラリアの教育制度は州によって異なりますが、基本的にはイギリス型です。
日本のような6・3・3制とは異なり、year1からyear12までの学年制です。
初等教育(Primary School)はYear1からYear6まで、
中等教育(Secondary School)はYear7からYear12までです。
つまり、日本の中学1年生から高校3年生までを合わせたものを
セカンダリースクールと呼びます。
Secondary SchoolはさらにYear7からYear10のJunior Secondary
とYear11からYear12のSenior Secondaryに分けられます。
進 路
義務教育はYear 10までで、11年生と12年生は、大学進学のための州統一卒業テスト
(Higher School Certificate)などの準備期間です。
日本の大学は4年制ですが、オーストラリアの大学はほとんどが3年で修了するため、
大学入学後すぐに専門課程を履修する事となります。
日本の大学の1回生で学ぶような一般教養をSenior Secondaryの間に身につけます。
また、大学の授業で必要な論文作成技術やクラスワークの仕方を学びます。
この2年間の成績と、卒業テストの成績によって進路を決定します。
Senior Secondaryは、日本の高校2年生、3年生よりも授業内容は高度だと言えるでしょう。
Junior Secondaryを終了後、大学へ進学せずに就職する人、専門学校へ進学する人もいます。
日本の教育制度と違って、公立の専門学校があり、TAFEと呼ばれています。
オーストラリアの高校生は、前期中等教育(Year10=高校1年生)を修了すると、就職か進学かを選択します。
▮日本の高校卒業後から進学するには
イギリスと同様に、日本の高校を卒業後すぐにオーストラリアの大学に
直接進学することは困難なため、予備コース(Foundation Course, Bridging Course)
と呼ばれるコースで、進学を希望する分野に応じた基礎科目を履修した後に
進学するのが一般的です。
またはディプロマコース(大学1年次に相当する専門課程)に入って、
大学の入学条件である必修科目や選択科目を履修する必要があります。
※ディプロマコース
ディプロマコースは、大学1年次に相当するコースで、
9ヶ月間のコース修了後は大学2年次に編入することが可能です。
またこのコースでは、大学の専攻分野に関連する内容を勉強することになります。
[ 適応校 ]
マッコーリー大学、グリフィス大学、ディーキン大学、サウスオーストラリア大学、
エディスコーワン大学、カーティン工科大学
▮ 入試がない!留学生も安心の入学システム
オーストラリアの大学へ進学する場合は、英語力の証明と、
日本の高校の成績証明書が必要となります。
しかし、それらが基準を満たしていない場合も、各大学附属(提携)している
英語学校やファンデーションコース、
州政府運営の教育機関(「TAFE」などの専門学校)を経由して、
目的の大学に進学できる方法が用意されています。
日本のような、入試での一発勝負ではなく、しっかりと基礎を固めていくことで、
最終的に進学を果たすことができるのです。
例えば、会計学を学びたいが、渡航時に英語力が足りないという場合、
まずは一般英語コース→進学英語コース→専門学校(Diploma of Accounting)→
大学(Bachelor of Accounting)という経路で、同学部への進学が可能となります。
このような、留学生目線で作られた進学システムが確立されているのも、
オーストラリアの大学の特徴です。大いに活用しましょう。
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