諸外国に比べ日本の英語教育は遅れています。
英語教育開始時期だけでなく授業そのものも効果が期待できない内容です。
そこで、今回は日本の英語教育に比較して中国を例に授業内容をみていきましょう。
日本の英語教育のヒントになるかもしれません。
日本政府も、東京オリンピック開催が決まると、ようやく英語教育の見直しに着手しました。
小学校3年生から英語教育を開始する方針を固めました。
2011年度から公立小学校の5、6年生において必須となっていた「外国語活動」を、
正式に教科に格上げし、小学校3年生から英語教育を開始する方針を固めました。
東京オリンピックが開催される年と同じ、2020までの実施を目指しています。
それでは、中国の英語教育の取り組みについて具体的なレポートを見ていきます。
■ 中国 深セン市
2001年、中国政府は「使える英語」の習得をめざし、小学校に英語教育を導入しました。
公式には3年生から、週4回以上の実施となります。
ただ都市部と農村部では開始時期などに開きがあり、
都市部では1年生から開始する学校もあります。
■ 自由な表現- 細かい間違いを指摘しない
政府教育部は「児童の自由な表現を認め、こまかい間違いを指摘しない」
「教師は児童が自由に英会話ができるように導く」を基本方針として定めています。
深セン市のある公立小学校では、1年生から週5回、英語の授業が組まれ、
全国中小学教材審定委員会の審査を通過した教科書と、
カセットテープ付きワークブック2冊を使って授業が進められます。
■ 中国人の教師―宿題は毎日
授業は、英語のネイティブ・スピーカーではなく、中国人の教師による指導のもと、
深セン市教育局教学研究室監修の視聴覚教材が多用されています。
たとえば、「My body」の単元では、体の部位名を教えたあと、
Point to …、Look at …、 Open …、 Close …に単語を入れて、
実際に動作をさせてみたり、「My pet」の単元なら、鳴き声や特徴的なジャスチャーをさせながら
動物の名前を教えたりと、低学年でも楽しみながら学べるよう工夫されています。
宿題には新出単語の書き取りや教科書の音読、ワークブックの練習問題が毎日出ます。
◆ ネイティブ・スピーカー教師の指示を、アシスタントの中国人教師が補足していく私立小学校の授業。
ネイティブ教師を「ウリ」にする私立校は多い。
■ 5年生からは文法問題― 100点を目指す教育
5年生になるころには、“Thank you for (teach) us so well.”“She is good at (swim).”
などの文で、かっこ内の語を正しく書きかえる問題や、
“That mountain is too high. people can get to its top.”という
文の下線部に、Few、Little、A few、A littleから選んで
文を完成させるような文法問題にもこたえられるようになります。
6年生になると、「ご飯をいためて、野菜を加える」「雨が降り続いている」
などの短い英作文にも挑戦していきます。
長文読解問題も多くなりますが、英文は「牛肉ギョーザ」「ちまき」など、
中国人の生活を説明するのに便利なフレーズを意識的に挿入した文となっています。
学習到達度をはかるための試験もしばしばおこなわれ、
「95点以下は要注意、90点以下はほとんどいない」と先生から活が入れられます。
あくまでも100点をめざすのが中国の学校のようです。
しかし、子どもたちは楽しく学びながら力をつけ、意欲的に学習を続けています。
今のところ、「政府の作戦勝ち」といえるようです。