フォーブス誌が掲載した研究によると、「世界で最も影響力のある都市」のトップ3が「ロンドン」「ニューヨーク」「パリ」という結果になりました。
なぜ上位3都市は世界で大きな影響力を持つのか、それぞれの都市の特徴を見ていきましょう。
ロンドンは欧州と米国の架け橋的存在
ロンドンの影響力を支えているのが、ひとつに欧州と米国の架け橋的な地理的利点にあると
言えます。
その影響もありロンドンは、約300年前に世界の金市場の中心となりました。
それ以来世界の金の流れや取引、価格付けの中心的役割を果たしています。
金だけでなく銀においても同様で、イギリスは2013年銀の世界最大輸入国であり、
輸出国となっています。
さらにロンドン市場は世界の3大マーケットをつなぐ重要なマーケットとなっています。
午前中は東京市場と取引を行い、午後に入るとニューヨーク市場が参加してきます。
ロンドン市場ではユーロを中心に、ユーロ/ドル、ユーロ/円、ユーロ/ポンド、ポンド/ドルなど複数の通貨の取引が行われます。
米国の重要な経済指標が発表される時間帯とも重なるため、ロンドン市場は始まってから終わるまでビジネス英会話を用いた活発な取引が行われ、世界一の取引高を誇っています。
ニューヨークが世界に君臨し続けるワケとは
2013年、アメリカの経済新聞「ウォールストリート・ジャーナル」などの発行元、ダウ・ジョーンズらの調査により、世界1位の金融センターはニューヨークであると発表しました。
それを裏付けるかのように、英The Banker誌の金融機関のブランド価値ランキングによると
世界トップ5のうち2位のイギリス以外が、アメリカの金融機関という結果になりました。
さらに2013年の投資銀行業務の手数料収入ランキングを見ると、アメリカの投資銀行がトップ5を
独占しています。
1位 JPモルガン
2位 バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ
3位 ゴールドマン・サックス
4位 モルガン・スタンレー
5位 シティー・グループ
しかも2位以外はすべて本社がニューヨークとなっており、世界の金融センターとして大きな影響力をもっていることが窺えます。
それだけではなく、ニューヨークはメディアや広告、音楽、ファッション、高級品などさまざまな
分野で世界の舞台でも優位を誇り、揺るぎない強さをもっていると言えます。
パリは大企業の本部数がヨーロッパ1位!
パリはヨーロッパマーケットの中心地であり、為替と貿易のクロスロードとなっています。
そのため国際的な大企業500社の本部数でヨーロッパ1位を誇り、世界でも3番目となっています。
なぜこのように多くの企業の本社がパリにあるのかというと、パリは事業を始めるにあたって多くの経済条件を提供しているからと言えます。
例えば日本では約2週間かかるビジネス登録を、フランスではたったの7日間で行うことができます。
さらにパリにはエンジニアリングとマネジメントを専攻する17の大学とグランゼコール(フランスの高等専門学校)があり、そのためパリはニューヨークやロンドンよりも「知的資本とイノベーション」の領域で上位の世界3位にランクインしています。